レモネード、砂糖なし

レモネード、砂糖なし

昼どき、犬の散歩に出た。
住宅街の一角を通りかかると、何人かの子どもが何かを売っていた。
私は犬を連れて避けて通ろうとしたが、ひとりの子が両手で看板を掲げ、必死にこちらへ振りながら、何度も叫んでいる。
「レモネード、砂糖なし!」

屋台の前まで歩いていき、犬を座らせた。
犬が座ると、ひとりの子がすぐに水を入れたボウルを持ってきてくれた。
また何人かの子どもが集まってきて、しきりに犬を撫でたり、かまったりしている。

スマホを取り出して、お金を払った。
子どもたちはまたしばらく犬を囲んで遊んでいたが、私が帰ろうとすると、手を振って「バイバイ」と言った。
私は犬を連れ、手にはレモネードの紙コップ。

レモネードは甘かった。
砂糖は入っていない。