朝と言っても、もう十時を過ぎている。
顔を洗い、小さな犬を連れて、いつもの散歩道をゆっくり歩く。
木漏れ日が小道に降り注ぎ、ときおり誰かが角を曲がっていく。
草の葉には、まだ朝露が残っている。
近所の家の枝には、赤やオレンジ色の小さな実がたくさん実り、
道のほうへそっと伸びていた。
青い空には白い雲がゆっくりと流れている。
踏切の遮断機が、ゆっくりと下りる。
犬は遮断機の前にちょこんと座り、
電車がやって来て、そして走り去っていくのを、
じっと見つめていた。