夕方、散歩に出る。
昼間の暑さはもうやわらぎ、
風には少しだけ秋の気配が混じっていた。
夕陽が木々の梢を静かにかすめていく。
道端では、青いアザミが透き通るように輝き、
一匹のマルハナバチが、そのまわりをぶんぶんと飛び回っている。
土手には、ノコギリソウが一面に咲き、
白い小さな花が、傾きかけた陽の光をやさしく受け止めていた。
道沿いでは、サンザシの実が少しずつ赤く色づき始め、
黄色を残した果皮には、小さなくぼみが浮かんでいる。
庭に入るころには、
月明かりが静かに花を照らしていた。
フロックスは、まだ盛んに咲いている。
アスターは、
何か言い残したことでもあるかのように、
静かに揺れていた。
ふと顔を上げる。
屋根の上には、
丸い月がひとつ。