ヘルシンボリの小さな漁村、港に停まる帆船

ヘルシンボリ

ヘルシンボリはエーレスンド海峡に沿って佇み、海峡を隔てた対岸にはデンマークのヘルシンオアが見える。
二つの町は、海峡を左右から挟むように向かい合っている。

ふと気づけば、海辺の小さな漁村に迷い込んでいた。
村の入り口には、小さな店が数軒。
その隣の港には、帆船が肩を寄せ合うように並んでいた。
海風が吹くたび、マストとロープがかすかに触れ合い、その澄んだ音が風に乗って聞こえてきた。

食後、ゆっくりと村の中へ歩いていった。
海から細い水路が入り込み、その両岸に建ち並ぶ家々は午後の陽射しを浴びていた。あたりはしんと静まり返っていた。
水辺では、お酒を片手に語り合う人たちがいた。

角を曲がると、また海が目の前に広がった。
波が静かに堤防を打っていた。

子どもたちは岸辺で泳いだり、石を拾ったりしていた。
大人たちは浜辺に寝そべり、日光浴を楽しんでいた。

数日前に訪れたヴェン島が、目の前の海に静かに浮かんでいた。
村の赤い屋根は木々の間に映え、淡い青空には白い雲がゆっくりと漂っていた。

風が吹くと、遠くからまたマストとロープが触れ合う音が聞こえてきた。
帰り際、店を出たばかりの女の子とすれ違い、目が合って、ふと微笑み合った。

夏休みが終わった。
あの小さな漁村に響いていたマストの音。
そして、あの夏の午後に交わした、小さな微笑み。